チェック
カチ・・・カチ・・・
家事を終えたシンジは自分の部屋でノートパソコンに向かい、インターネットをしていた。
カチ、カチ・・・・
「ふうー沢山あるなあ」
目頭を押さえ、背伸びをして疲れを飛ばし作業は続く。
コンコン!
「シンジ、入るわよ」
返事を待たずにアスカは部屋に入ってきた。本当なら下僕であるシンジにわざわざノックをする必要は無いが、以前に着替えているときに開けてしまったのでそれからノックするようになった。
「なに?アスカ」
「ハンカチにアイロンかけといて」
乾いてまだしわのついている赤いハンカチをヒラヒラさせて命令?する。
「わかったよ」
カチ・・・カチ・・
シンジは画面を見たまま、返事をする。アスカは『人の目を見ないで話さないのは、どういうこと?シンジのくせに』と思いながら少し機嫌悪そうに質問する。
「なにやってんのよ?」
「更新された作品をチェックしているんだよ」
シンジは次々にネットサーフィンをして、更新されているHPを調べ上げている。アスカは熱心な様子を見て、呆れていた。
「面倒くさいことしてるわねえ!何の得にもならないでしょう?」
「そんな事無いよ、調べておけばネットサーフィンをする人に便利だからね」
カチカチ!
「はあーそうなの」
「そうだよ」
シンジの嬉しい顔に首を傾げながら、部屋に戻っていった。
「アイロン、お願いね」
「わかった」
部屋に戻ったアスカは腕を組みながら、考えていた。
「なーにが便利だからね、よ!バカバカしい・・・・・」
悪態をつくが気になっており、シンジのHPを開いてみる。
「へえ・・・・バカシンジにしてはなかなかやるわね」
そこには更新されたHPが画面にうつっており、関心させる。
「便利ねえ・・・・・・・・!毎日調べてるの」
画面をスクロールしていくと日付は1日刻みであり、驚かせた。
「バカ・・・・疲れているのに・・・・」
確かにシンジは家事全部を引き受けて(やらないと夢の島になるので)朝から晩まで働いていた。そのうえ、学校にネルフにと毎日が忙しかった。
「悪い事したな・・・・」
先ほどの事を思い出していた。シンジに頼まなくてもアイロンぐらいは自分でできるがシンジと話すために口実が欲しかった。
「・・・・・よし!」
素早く頭脳を回転させ、行動に移す。ノートパソコンを閉じ、シンジの部屋に向かう。
「シンジ!」
今度はノックなし、いきなりでシンジは驚いた。
「うっうわ!驚かさないでよ、ハンカチは明日でいいだろ?」
「そんなのいつでもいいわよ。それよりどきなさい」
「え?」
「いいからどくのよ」
「うわ!」
シンジは首根っこを掴まれ椅子から引きずり下ろされ、かわりにアスカが座り、マウスを動かしだした。
「なにするんだよ」
「アンタ、疲れているんでしょう。こんなこと毎日してたら、ぶっ倒れるわよ。かわりに私がしてやるのよ」
シンジの鼻先に指を突きつけて、ベットを指差す。
「寝なさい!」
「自分でやるよ」
「寝なさい!私がしてあげるのよ感謝しなさい」
今にでもビンタが飛んできそうな迫力、シンジは観念?(感謝)して頼む事にした。
「それじゃあ、お願いしようかな」
「天才に任せなさい!」
アスカは胸をたたき、自信に満ちていた。シンジは微笑んでベットに入った。
「お休み、アスカ」
「お休み、シンジ」
それからアスカはシンジのかわりに、次々にチェックをしていった。
(シンジもこまかいわね・・・・・へえー色々な作品があるわね)
カチ、カチ・・・・・
そして調べ上げ、シンジのHPにアップした。
(よし!私の手にかかれば楽勝よ!)
ノートパソコンの電源を落とし、シンジを見る。幸せそうに眠っていた。アスカは寝顔を見ていたずらをしたくなり、頬をつついた。
(ふふ、柔らかいわね・・・・バカみたいに幸せに眠って)
プニプニ
(つねっちゃお)
クニ
「う・・・助けて・・・・アスカ・・・・」
「え?」
寝言におもわず手を離した。心臓が高鳴る。
ドキドキドキ・・・
(なっ何て夢見ているのかしら・・・・私がシンジを助けているの?)
「う・・うーん」
シンジの悩ましげな声に見とれていた。
(シンジ・・・・・)
アスカの顔は赤くなっていた。
「う・・・ううん」
(シンジ・・・・)
アスカはシンジの顔に近づこうとカクカク動き出した。
「うっうわ・・・・アスカ許してー」
「は?」
「殴らないでー」
「え?」
シンジの寝言にアスカは体勢を戻した。
(どうして殴るのよ!最初私に助けてって言っていたでしょ・・・・・ん?)
最初の寝言を思い出していた。確かにシンジは『助けて』と言った。
(・・・まさか私に懇願していたの)
理解ができて、怒りが込み上げてくる。
「
このバカシンジ−!」ボク!
「はがあ・・・・・」
パンチはシンジの腹部をとらえ、状態がV字になりベットにはねかえり、(気を失う)眠った。
「いい夢見なさい」
アスカは眠っている(気絶)シンジにウインクをすると自分の部屋に戻っていった。
次の日、いつものようにシンジは主夫なので早起きをしていた。そして昨日やってもらったHPを確認してみた。
「!なんだよ?これー」
HPは確かに更新されていたがそこには、自分が調べていた大半のものは消され、LAS作品がズラっと並んでいた。
「アッアスカ・・・・・」
「スヤスヤ・・・・・・」
アスカは布団にくるまり、昨日チェックの際に読んだ作品の夢を幸せに見ていました。
「シーンジ!・・・・スヤスヤ」
それからアスカは毎日手伝うようになり、やっぱりLAS作品を並べていた。シンジはその後でまた再更新するので、さらに疲れが溜まりました。
おしまい
「なに・・・これ?」
あるアパートの一室、紅い瞳をさらに紅くし、1人の少女がシンジのHPを閲覧していた。
「LAS・・・・・私と碇クンを邪魔する赤毛・・・・・・・・排除しないと」
それから頭脳を振る回転させ、対策を練っていた。
「碇クン・・・・・・」(ポッ)
LRSを読みながら、頬を染めていた。
どうもjun16です。このたびはAnnouncement of TextnovelsZ Forumに投稿させていただきました。
一応極上LAS?になっています。
こんなのLASじゃ無いと言って石を投げないでくださいね^^;
更新チェックは本当にありがたく、手間が省けて助かっています。
最後のおまけは少女の野望です(笑)
1999/07/09
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